シュトヘル 2巻 文字との出会いがシュトヘルを変える
シュトヘル 2巻 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
伊藤悠
文字が憶えていてくれる。
関連記事は以下
シュトヘル 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻
シュトヘルとユルールの出会いからが回想されていくこの2巻。
悪霊と呼ばれるようになったシュトヘルの暴れっぷりがすさまじいです。

モンゴル兵を手当たり次第に殺し、
その消え行く鼓動を聞きながら笑みを浮かべる。
更にフィニッシュブローは噛み付いての食いちぎり!
まさに獣。
そんなシュトヘルがユルールと出会い、徐々に変わっていきます。
モンゴル兵を殺し続けるシュトヘル。
ユルールに「なんのために殺すんだ」と問われ、
こう答えます。

「わたしが生きるためだ」
仲間の無念を覚えているのは自分だけ。
自分が死んだら仲間たちは忘れ去られてしまう。
だから自分は生きなければならない。
シュトヘルはそう思っているんです。
では生きている間に何をするのか。
それがモンゴル兵を殺すこと。そして虎の男を殺すこと。
つまり仇を討ってどうしたいとかじゃないんです。
生きてる間にやるべきこととして、ただ殺している。
そんな先のない生き方のせいで、
シュトヘルは殺し続けるだけの悪霊のような存在になってます。
でもユルールと出会い、
文字という存在を知り、
その文字で仲間たちを"残す"ことができることに気付くんです。

「わたしの仲間の名前は・・・この文字が、憶えていてくれるのか。・・・ユルール。」
"ユルール"と初めて名前を呼ぶ印象的なシーン。
今までのシュトヘルは仲間のことをぼんやりとしか思い出せなかった。
でも名前を記した文字を通して、
思い出として仲間たちを思い出せるようになります。
シュトヘルが仲間を回想し涙を浮かべるシーンは、
まるで獣から人に戻ったような印象を受けました。
2巻で一番の名シーンだと思います。
これでシュトヘルの生き方が変わります。
忘れないため、取り憑かれたように殺し続けて生きる必要性が薄れる。
更に文字への興味を通して、ユルールへの接し方も変わる。
このまま行けば違う結末があったかもしれない。
でもそんな変わっていくシュトヘルを許せなかったのが、

アルファルド。
シュトヘルの生き方にひかれていたアルファルドには、
変わっていくシュトヘルを許容できない。
だから・・・
ここ2巻は終わります。
読んでいると話が進むにつれてシュトヘルに惹かれていくのですが、
最後に迎える結末はあの1巻冒頭。
そしてその人格が別人になると思うとかなり寂しい気持ちになります。
その1巻冒頭まであともう少し。
続きは以下
シュトヘル 3巻 そして1巻冒頭へ

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*掲載画像は紹介作品からの引用であり、著作権は作者および出版社にあります。
伊藤悠
文字が憶えていてくれる。
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シュトヘル 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻
シュトヘルとユルールの出会いからが回想されていくこの2巻。
悪霊と呼ばれるようになったシュトヘルの暴れっぷりがすさまじいです。

モンゴル兵を手当たり次第に殺し、
その消え行く鼓動を聞きながら笑みを浮かべる。
更にフィニッシュブローは噛み付いての食いちぎり!
まさに獣。
そんなシュトヘルがユルールと出会い、徐々に変わっていきます。
モンゴル兵を殺し続けるシュトヘル。
ユルールに「なんのために殺すんだ」と問われ、
こう答えます。

「わたしが生きるためだ」
仲間の無念を覚えているのは自分だけ。
自分が死んだら仲間たちは忘れ去られてしまう。
だから自分は生きなければならない。
シュトヘルはそう思っているんです。
では生きている間に何をするのか。
それがモンゴル兵を殺すこと。そして虎の男を殺すこと。
つまり仇を討ってどうしたいとかじゃないんです。
生きてる間にやるべきこととして、ただ殺している。
そんな先のない生き方のせいで、
シュトヘルは殺し続けるだけの悪霊のような存在になってます。
でもユルールと出会い、
文字という存在を知り、
その文字で仲間たちを"残す"ことができることに気付くんです。

「わたしの仲間の名前は・・・この文字が、憶えていてくれるのか。・・・ユルール。」
"ユルール"と初めて名前を呼ぶ印象的なシーン。
今までのシュトヘルは仲間のことをぼんやりとしか思い出せなかった。
でも名前を記した文字を通して、
思い出として仲間たちを思い出せるようになります。
シュトヘルが仲間を回想し涙を浮かべるシーンは、
まるで獣から人に戻ったような印象を受けました。
2巻で一番の名シーンだと思います。
これでシュトヘルの生き方が変わります。
忘れないため、取り憑かれたように殺し続けて生きる必要性が薄れる。
更に文字への興味を通して、ユルールへの接し方も変わる。
このまま行けば違う結末があったかもしれない。
でもそんな変わっていくシュトヘルを許せなかったのが、

アルファルド。
シュトヘルの生き方にひかれていたアルファルドには、
変わっていくシュトヘルを許容できない。
だから・・・
ここ2巻は終わります。
読んでいると話が進むにつれてシュトヘルに惹かれていくのですが、
最後に迎える結末はあの1巻冒頭。
そしてその人格が別人になると思うとかなり寂しい気持ちになります。
その1巻冒頭まであともう少し。
続きは以下
シュトヘル 3巻 そして1巻冒頭へ


*掲載画像は紹介作品からの引用であり、著作権は作者および出版社にあります。